Well-Being Life LOG

今より幸せな人生をあなたの手に…

檸檬|読書ノート #97, 2023

読書ノート #97, 2023

檸檬
 (梶井 基次郎)

 

 

Takahiro
檸檬」から何を作るのか?
 

※ひとことPOPは書籍からの学び・気づきを想起するための個人的備忘です(^^)

2023.10.4 読了|Audible|2023年 97冊目


読んだ理由


Audibleでスキマ時間にサクッと聴ける本を探していたところ、
この短編名作がヒットした。

現代文の授業もしくは試験で触れたことはあったはずだが、
自分の記憶から「檸檬」がスッポリと抜け落ちていた…。

読後感想


結局、Audibleで二度繰り返して聴いた。

作品自体が短かったことと、
心中の影と光が波立つような表現が心を捉えて、
もう一度噛み締めて聴きたくなったからである。

まるで自分の経済状況や健康状態と重なるように、
見すぼらしいものに心をひきつけられていたなか、
お気に入りの暗い店で見つけた檸檬

鈍い色に囲まれた中で
パッと鮮やかな色彩と香りに高揚する様は、
檸檬色だけを残したセレクトカラーの写真が思い浮かぶ。

自分の内面のあらゆるネガティブ要素を
その色鮮やかな檸檬の中にギュッと詰め込んで
見える形、触れる形になったと感じたことは
何事にも代えがたい昂奮を覚えたことだろう。

それを爆弾代わりにして
陰鬱なものを木っ端微塵にしようとする所は、
どこか男性的な快感を想像させる。

この本を機に、
梶井基次郎の波乱含みの太く短い人生を知った。
檸檬爆弾のように何もかもキレイさっぱり吹き飛ばしたいことが
自分のなかで蓄積していたのではないだろうか。

心に残った一文

 

見わたすと、その檸檬の色彩はガチャガチャした色の階調をひっそりと紡錘形の身体の中へ吸収してしまって、カーンと冴えかえっていた。

この本から得た学び・気づき・実践したいこと

 

Takahiro
自分のモヤモヤを見える化する
 

 


書籍紹介

大正から昭和期の作家、梶井基次郎の短編小説。
初出は「青空」[1925(大正14)年]。

肺を病んだ“私”は、果物屋檸檬を手にすると妙に落ち着いた。
好きな丸善の本屋へ行ってみようという気にもなった。
いざ行ってみるとまた不吉な魂が頭をもたげくる。ふと“私”は思いつく。
檸檬を画集の上においてみる。まるで爆弾のようではないか。
簡潔な文章で描かれた鮮やかな檸檬は年月が経ても色褪せることはない。

Amazon より引用)

著者紹介

梶井 基次郎(かじい・もとじろう)

明治34年、大阪に生まれる。
東京帝国大学文学部中退。東大在学中の大正14年に同人誌『青空』を創刊、「檸檬」を発表。
以後、同人誌を中心に「城のある町にて」「桜の樹の下には」などの詩的作品を発表し続けた。
昭和7年、肺結核のため、31歳の若さで逝去。

Amazon より引用)


2023.10.4 読了|Audible|2023年 97冊目

 

bookmeter.com


他の「読書ノート」はこちらから👇

rr51.hateblo.jp