10分で名著|読書ノート #101, 2023
読書ノート #101, 2023
■10分で名著
(古市 憲寿)
※ひとことPOPは書籍からの学び・気づきを想起するための個人的備忘です(^^)
2023.10.12 読了|Audible|2023年 101冊目
読んだ理由
なにか古典作品を読もうとしたが、
書籍のボリュームから気後れしてしまったので、
そのきっかけ探しのために読もうと思った。
読後感想
この本で紹介されている12の名著。
タイトルや著者は知識として持ち得ていても、
果たして内容を理解しているかというと…
そもそも読んだことがない本がほとんどだった。
さらに、「国富論」や「資本論」は
大学時代にかいつまんで読んだことがあったと思うが、
「神の見えざる手」とか「搾取」だとか、
単語だけの断片的な記憶でしかない。
そのように本があることは知っているけど内容は…といった著作について、
専門家への質問ベースでの対談を通じて12冊紹介している。
ただし、本書を読んで(聴いて)、
名著の概要を理解した!と言ってしまうのは早合点。
専門家のこだわりポイントを知り、
名著への興味を抱く良い機会だと感じた。
たとえば、『源氏物語』の時代における男女の逢瀬。
直接顔を合わすまで、
手紙や伝言で何度もやり取りをしてはじめて思いを遂げる。
それをマッチングアプリに例えた古市さんのセンスは面白い。
個人的には、名著の解説内容というよりも、
専門家の皆さんの読書への向き合い方が興味深かった。
途中で読めなくなっても挫折と思わないほうが良い。
作品には読み時がある。読書は義務ではない。
今読もうとしてわからなくても全然良い。
積読にしておいてもよい。背表紙がチラチラと目に入る。
読みたくなるときが来たら手に取れば良い。
と仰っている。
気軽に読んでいるつもりでも、
古典作品などを前にどこか窮屈さを感じている自分に気づかされた。
他にも、
ガイドブックを見ただけで旅行に行った気にするのか、
現地に行って体感するのか…
そんな例えがあったように、
一度に読み切れなくても良いから実際に名著を手にとってみたくなった。
ニーチェ『ツァラトゥストラ』を読んでパワーワードを探すなど、
たとえ一部分でも原典で…という楽しみをもって読書に向き合いたい。
心に残った一文
たしかにエッセンスは重要。でもそれは「骨」なんですよ。
骨だけ見てもその人間はわからない。肉を見てはじめてどういう人間なのかがわかる。
「漫画や解説書だけでエッセンスを理解するのはまずい?」の返答
(第12回 マルクス『資本論』的場昭弘)
この本から得た学び・気づき・実践したいこと
書籍紹介
最強の水先案内人がプロに「読みどころ」を聞いてみた――。
『神曲』『源氏物語』『わが闘争』『資本論』……
名著を読まなくても楽しめる、虫のよいガイド本、誕生!
好きな女性とはセックスできず、添い寝しかできない男の悲哀――『源氏物語』
莫大な印税収入でヒトラーは自信をつけた――『わが闘争』
手に取ってみたけれど、挫折した……、でもあきらめるのはまだ早い!
聞き手=古市憲寿+構成=斎藤哲也の名コンビが贈る名著ショートカット。
『神曲』――都市市民が生まれて、煉獄が生まれた 原基晶
『源氏物語』――「宇治十帖」の不器用で流されやすい登場人物たち 大塚ひかり
『失われた時を求めて』――宝探しのように自分の読みたいところを探す 高遠弘美
『相対性理論』――時間も空間も一つではない 竹内薫
『社会契約論』――「明日からこの国を、この世界をどうしよう」と考えるヒント 東浩紀
『ツァラトゥストラ』――「神は死んだ」など好きなパワーワードを探してみる 竹田青嗣
『わが闘争』――大衆を小馬鹿にした第6章「戦時宣伝」 佐藤卓己
『ペスト』――「自分事」となると、一気に読みやすくなる 佐々木匠
『古事記』――縄文系と弥生系の世界観が混在していた 三浦佑之
『風と共に去りぬ』――単なる恋愛小説ではない 鴻巣友季子
『国富論』――啓蒙の時代にお金儲けは肯定された 野原慎司
『資本論』――「新しい世界」の秘密を明らかにしようとした 的場昭弘
(Amazon より引用)
著者紹介
古市 憲寿(ふるいち・のりとし)
1985年東京都生まれ。社会学者。
慶應義塾大学SFC研究所上席所員。日本学術振興会「育志賞」受賞。
若者の生態を的確に描出し、クールに擁護した著書『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)、世界の戦争博物館を巡り戦争と記憶の関係について考察した『誰も戦争を教えてくれなかった』(講談社)などで注目される。
内閣府国家戦略室「フロンティア分科会」部会委員、「経済財政動向等についての集中点検会合」委員、内閣官房行政改革推進本部事務局「国・行政のあり方に関する懇談会」メンバー、「クールジャパン推進会議」委員などを歴任。
2018年には小説『平成くん、さようなら』(文藝春秋)を発表した。
(Amazon より引用)
2023.10.12 読了|Audible|2023年 101冊目
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