コーヒーの科学|読書ノート #103, 2023
読書ノート #103, 2023
■コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか
(旦部 幸博)
※ひとことPOPは書籍からの学び・気づきを想起するための個人的備忘です(^^)
2023.10.13 読了|Kindle unlimited|2023年 103冊目
読んだ理由
先日、寺田寅彦の「コーヒー哲学序説」を読み(聴き)、
コーヒーの魅力と関心が強化されたこともあり、
Kindleで検索していたところヒットした書籍。
ブルーバックスというのも興味を惹いた。
読後感想
コーヒーをこよなく愛する医学研究者が、
余すところなくコーヒーに関する知識を紹介している本。
途中で化学式が出てくるのはさすが理系、
「ブルーバックス」といったところ。
科学的な分析には苦手意識があったものの、
コーヒー独自の美味しさを理屈として説明されており、
コーヒーが生まれた歴史、伝播していった歴史や日本と海外の違いなど、
全般通して大変興味深く読むことができた。
なかでも興味を引いたのが次の2つ。
①アラビカ種独自の染色体数
②焙煎の奥深さ
アラビカ種以外の染色体数は22本なのに対して、
アラビカ種だけがその倍の44本で自家受粉できる。
そのおかげで、持ち出されたり盗み出された
たった1~数個の種子や苗木から新たな土地でも根付き、
コーヒー栽培が世界中に普及していった。
そんな歴史を知ると、
現在広くコーヒーが飲まれているのもひとつの奇跡なんだろうと思う。
次に、コーヒーの味や香りの差は豆の産地の差によると思っていたが、
焙煎の良し悪しが香味を大きく左右するということを改めて理解した。
自家焙煎の店はそれだけこだわっているわけで
良質の生豆を適正に焙煎し、新鮮なうちに抽出された
「よいコーヒー」を味わう機会を増やしていきたい。
苦味とコクの深煎りか、酸味と香りの浅煎りか…。
どちらかというと深煎り寄りの方が好みだが、
それも気分に合わせて、多種多様な愉しみ方を持てればと思う。
学生の頃はコーヒーには砂糖とミルクが必須だったのが、
今では「コーヒーはブラックに限る」と豪語しながら嗜む自分がいる。
人の嗜好はよくも変わっていくものだ(笑)
それはともかく、
全自動コーヒーメーカーにばかり頼るのではなく、
たまには、自分で豆を挽いてからハンドドリップで
こだわりの一杯を淹れて豊かな時間を味わおう。
心に残った一文
「よいコーヒー」であっても、実際に飲む人の嗜好によっては必ずしも「おいしいコーヒー」になるとは限らないが、「悪いコーヒー」は必ず「まずいコーヒー」になる。
(第4章 コーヒーの「おいしさ」)
カフェバッハ田口護氏が提唱した考えのひとつ
この本から得た学び・気づき・実践したいこと
書籍紹介
今では、我々の生活に欠かすことのできない嗜好品となったコーヒー。
その独特の香味はどのように生まれるのだろうか。
自家焙煎店で培われた職人の技術と知恵を、科学の視点で徹底分析。味をコントロールし、
自分好みのコーヒーを淹れる秘訣が見えてくる。
科学論文に基づく知見を踏まえて、コーヒーのさまざまな謎に迫る!
(Amazon より引用)
著者紹介
旦部 幸博(たんべ・ゆきひろ)
1969年長崎県生まれ。
京都大学大学院薬学研究科修了後、博士課程在籍中に滋賀医科大学助手へ。現在、同学内講師。
専門は、がんに関する遺伝子学、微生物学。人気コーヒーサイト「百珈苑」主宰。
自家焙煎店や企業向けのセミナーで、コーヒーの香味や健康に関する講師を務める。
(Amazon より引用)
2023.10.13 読了|Kindle unlimited|2023年 103冊目
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