世界の一流は「雑談」で何を話しているのか|読書ノート #104, 2023
読書ノート #104, 2023
■世界の一流は「雑談」で何を話しているのか
(ピョートル・フェリクス・グジバチ)
※ひとことPOPは書籍からの学び・気づきを想起するための個人的備忘です(^^)
2023.10.17 読了|Kindle unlimited|2023年 104冊目
読んだ理由
たまたまKindle unlimitedでリコメンドされた書籍。
まず会社員時代を振り返って、
全く雑談が続かなかった相手の顔を思い浮かべた(笑)
そして現在、雑談会を主催している身として
ビジネスシーン以外でもぜひ活かしたいと考えて読むに至った。
読後感想
外国人から見た日本人の特徴を捉えながら、
海外のビジネスパーソンやGoogleでの事例などを取り上げ、
ビジネスシーンで望ましい「雑談」のあり方を示している。
海外では本題に入る前の具体的な下準備としての雑談、
日本では当たり障りのない場慣らし的な雑談、
という大きな違いを実感せざるを得ない。
そこには、コミュニケーションの方法として、
空気を読むハイコンテクストに頼る日本人と
ストレートに言語で伝えるローコンテクストに頼る海外の人々、
の違いを紹介しているように、
集団調和主義の日本と個人実力主義の国々といった
それぞれの歴史が紡いできた背景がある。
それ故に、個人的な感覚として、
グローバルなビジネスシーンではキャッチアップが必要だが、
日本のドメスティックなビジネスシーンにおいて
世界基準の雑談がすぐ馴染むかというと…
まだまだ時間がかかるかもしれない。
ただ、そんな事を言っても何も始まらない。
本題に入る前の数分の雑談において、
双方に利のある話ができるに越したことはないわけで、
本書を通して「雑談を疎かにするなかれ」と気づかされた。
本書でとくに参考となったのは次の3つ。
①雑談の目的はラポールを築くこと
②雑談で相手の話を興味持って聞く
③問いかけ「素朴な疑問なんですけど」
ただ単に場を和ますことで留まらず、
雑談からラポールを作ることを目指すというのは、
意識的により踏み込むことが求められる。
そのためには雑談のための準備が必要で、
相手への関心度を高めざるを得ない(良い意味で)。
そうして相手に好奇心を持つことで、
相手の話を興味を持って聞くことができる。
そして自分が興味あることを相手に質問するなかで、
少し聞きにくいことがあれば、
「素朴な質問なんですけど」と前置きして質問する。
その時は笑顔で目を合わせて何気なく聞いてしまう、
というのが著者のテクニックとのこと。
雑談においても、
カール・ロジャーズの傾聴の3原則
(共感的理解、無条件の肯定的関心、自己一致)
が十分適用できると思う。
加えて、人間関係を構築していくうえでは、
話す力というより、聞く力、質問力が大切だと改めて感じた。
これらを踏まえて、雑談を軽視することなく、
その目的、相手への興味、表情、口調を意識しながら、
雑談を前向きに楽しんでいきたい。
心に残った一文
日本では、ビジネスマン向けの雑談に関する本が数多く出版されていますが、その大半が…(中略)…小手先のテクニックの話に終始しています。
テクニックを使えば、何とかその場を「乗り切る」ことはできるかもしれませんが、ラポールを作って、信頼関係を高めることにはつながりません。
雑談の目的は、その場を「しのぐ」ことではなく、お互いの関係性を築くことですから、もっと根本的な問題に目を向ける必要があります。
(第3章 どうすれば結果が出せるのか?武器としてのビジネスの雑談)
この本から得た学び・気づき・実践したいこと
(好意の返報性で雑談を円滑にする)
(雑談でもロジャーズの3原則を意識する)
書籍紹介
日本人が苦手な「打ち解ける」「間を埋める」「盛り上げる」を
世界の一流ビジネスマンはどうやっているのか?
■「雑談=無駄話」ではない
日本では、取引先との商談などを始める際に、
本題に入る前のイントロダクションとして雑談を交わすのが一般的です。
天気の話に始まり、SNSで話題になっていることや、
お互いの業界のウワサ話など、そのほとんどが「とりとめのない会話」です。
(中略)
■ 日本の雑談と世界の雑談は似て非なるもの
世界のビジネスシーンで、一流のビジネスマンが交わしているのは、
日本的な雑談ではなく、「dialogue(ダイアログ)」に近いものです。
ダイアログとは、「対話」という意味ですが、
単なる情報のやりとりだけでなく、話す側と聞く側がお互いに理解を深めながら、
行動や意識を変化させるような創造的なコミュニケーションを目指した会話です。
(中略)
本書では、雑談を社内や社外の人間関係の構築に活かし、
仕事で成果を出すための考え方や実践法を徹底的に掘り下げて詳しくお伝えします。
世界のビジネスマンの雑談との向き合い方や、日本との考え方の違いを知ることは、
雑談のスキル向上だけでなく、仕事のクオリティーを高めることに結びつきます。
(Amazon より引用)
著者紹介
ピョートル・フェリクス・グジバチ
連続起業家、投資家、経営コンサルタント、執筆者。
プロノイア・グループ株式会社 代表取締役、株式会社TimeLeap取締役、株式会社GA Technologies社外取締役。
モルガン・スタンレーを経て、Googleで人材開発・組織改革・リーダーシップマネジメントに従事。
2015年に独立し、未来創造企業のプロノイア・グループを設立。
2016年にHRテクノロジー企業モティファイを共同創立し、2020年にエグジット。
2019年に起業家教育事業のTimeLeapを共同創立。
ベストセラー『NEW ELITE』他、『パラダイムシフト 新しい世界をつくる本質的な問いを議論しよう』『世界最高のコーチ』など執筆。
ポーランド出身。
(Amazon より引用)
2023.10.17 読了|Kindle unlimited|2023年 104冊目
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